【パチパチ跳ねる油と漂うニンニクの香り】辛さがクセになる重慶の来風魚
歴史
来風魚(ライフォンユー)は重慶の江湖料理を代表する魚料理です。
来風魚とは魚の名前ではなく、重慶のお隣の湖北省に位置する来風県という地名に由来します。
来風県は険しい山の間を河川がゆっくり流れる、山水画の風景が広がる場所です。
歴史を遡ること明の時代後期から清の時代初期の頃にかけて、豊かな自然や生活を求めて、来風県に多くの移民が集まりました。
彼らはきれいな水と栄養方法な土壌を利用して、お米や川魚の養殖を始めました。
魚を調理する際に、主に四川から流れてきた人々によって、巴国の辛い味付けがもたらされ広まって行きました。
次に来風魚のレシピを見ていきましょう。
作り方
来風では、淡水魚の養殖が盛んだったため、来風魚には鯉科の魚がよくい使用されます。
まずはきれいに洗った鯉の内臓や血を抜きます。
そして一口大に切り分け(丸ごとそのまま調理するレシピもあります。豪華版ですね)、料理酒にしばらく付け臭みを取ります。
次に油を加え加熱した鍋に、唐辛子、花椒、タマネギ、にんにく、生姜等を加え、油が赤くなるまで炒めます。
そこで魚の切り身を加え、水を加えて少しだけ煮込んでいきます。
魚に80%ほど火が通った所で、醤油とお酢を加え、片栗粉でとろみを付け、仕上げに青唐辛子、青ネギ、ニンニクを振りかけます。
ここで完成かと思いきや、 最後の見せ場!あつあつの油を魚の上に回し掛けます。
パチパチと音がして、香ばしいニンニクの香りが広がります。
特徴
来風魚の特徴は、何といっても新鮮な魚を使うことにあります。
魚の新鮮さを味わうため、ぐつぐつ煮込むのではなく、さっと火を通して油を掛けることで、魚の柔らかい触感が楽しめます。
四川風の辛い味付けはタンパクな味わいの鯉によく合い、特に皮と身の間の脂が乗っている部分はチュルンと食べられて絶品です。
中国社会が発展するにつれ、次第に農家は米や野菜を育てたり。魚を養殖するだけ生活が苦しくなって行きました。
そこで来風県では、農家が来風魚を看板としたレストランや専門店を次々とオープンさせて行きました。
競争が激しくなったことで、各農家は腕を磨き、独自の来風魚のレシピが誕生していきました。
中には辛さに加えて、酸っぱさを強調したレシピや、甘酸っぱいもの、魚を揚げたものなど多岐に渡ります。
来風魚は次第に隣接する省に伝わっていき、特に中国の西南部で広まって行きました。
重慶に伝わった来風魚は江湖料理として発展を遂げ、花椒を利かせた重慶風の味付けが人気を呼んでいます。
重慶の山や綺麗な川が流れる場所に行った際には、ぜひ現地のこじんまりとした農家レストランで来風魚を頼んでみて下さい!
感想お待ちしています^^
ディスカッション
コメント一覧
こんにちは。ブログランキングから来ました。重慶には、まだ行ったことがないですが、山水画のような風景が好きなのでいつかは行ってみたいと思います。妻が、来風魚に似た料理を作りますが、本場の来風魚を食べたいですね。