【大自然の水と風から作られる本場中国のザーサイ】国民の定番のおやつ

2024年12月3日ザーサイ(涪陵榨菜)

涪陵榨菜(フーリンジャーツアイ)は重慶の涪陵区名産のお漬物です。

原料は涪陵で取れる小さなキャベツの様な野菜(ここでは涪陵キャベツと呼びます)です。

ドイツのザワークラウトやフランスのピクルス、日本の漬物の様に中国ではとてもポピュラーな食べ物です。

日本ではザーサイと呼ばれ親しまれているようですね。

伝統的な製法は国の無形文化財にも指定されるほどです。

今回はそんなザーサイの歴史や製法、魅力について紹介していきます。

歴史

ザーサイの起源は遡ること、清王朝、1898年に、涪陵郡の郊外の商人Qiu Shouanは、涪陵キャベツを塩漬けにして乾燥させました。

脱水した後、よく 絞って塩水を取り除き、香辛料と混ぜて陶器の祭壇に入れ、密閉容器に入れて保管しました。

これを宴会の席で友人に振舞ったところ、他のどの漬物より美味しいと絶賛され、そこから涪陵ザーサイの名前が付けられ、認知されるようになりました。

次に涪陵キャベツが育つ環境について触れましょう。

涪陵区

涪陵区は亜熱帯モンスーン気候に属し、区域の大部分は低い山と浅い丘によって形成されている水が綺麗で自然豊かな土地です。

穏やかな気候ながら、四季は存在し、年間および約1072mmの降雨量があります。

この地域の独特の自然環境は、緑キャベツの大規模な植栽に適しており、涪陵キャベツの作付面積は、全国のキャベツの作付面積の43.20%を占めています。

これは、中国で最大の生産地域であり、涪陵は「ザーサイの故郷」の異名を獲得しています。

涪陵キャベツは、9月に種を蒔き、涪陵区で最も寒い4℃〜5°Cの霧の多い環境でよく成長し、きめ細かい組織構造が形成され、独特の柔らかくもパリッとした触感を生み出します。

製法

涪陵ザーサイはまずよく育ったまあるい涪陵キャベツを収穫し、天日干しするところから始まります。

長さ8メートルほどの木を組み合わせ、糸で吊るしたキャベツを掛けていきます。

涪陵の緑一面にキャベツが干されている姿は圧巻です。

自然の風によって脱水された後、塩をよく刷り込み、玉ごと亀に漬けていきます。

数か月経ってからキャベツと取り出し、また脱水します。

そしてまた塩漬けにした後に自然脱水。

3回目の塩漬けの際にようやく唐辛子や塩、花椒、胡椒などの香辛料を加えます。

重慶/四川特有の高品質の花椒がザーサイの独特の味を作ります。

伝統的な製法では計13の工程を踏んでようやく完成します。

商業化が進んでからは、プロセスを簡略化させる業者が出てきたため、涪陵政府はブランドの品質を保つため、厳格な基準を設けました。

これにより確かな手順を踏んで手間暇かけて作られたものだけが涪陵ザーサイと命名できるようになっています。

食べ方

中国でのザーサイの一般的な食べ方は、①そのままご飯のおかず、②そのままお茶の供に、③料理に使用です

日本より様々な味付けが存在し、辛みがあってご飯に良くあうザーサイや、塩気が少なく箸休めに丁度いいもの、料理用に味の濃いものまで沢山あります。

青椒肉絲の様に肉を細く切ったものとザーサイを一緒に炒めたものは大衆食堂や家庭料理の定番です。

私のお気に入りは渋みの薄い暖かいウーロン茶と一緒に食べることです^^

ザーサイのコリコリとした触感がくせになります。

重慶ではお馴染みの赤いパッケージの涪陵ザーサイがコンビニでもどこでも売っているので、ぜひ食べてみて下さい。

但し塩分は多めなので食べすぎには注意してくださいね!!

おまけ

余談ですが、数年前に私が国内線で中国の航空会社を利用した時、スナックとしてこの赤い涪陵ザーサイが出されたことがあります。

重慶育ちの私は勿論普段から涪陵ザーサイを食べていますが、空の上で、しかも袋ごと出されたのは初めて(^^;

ただ近くの席の人は慣れた手つきで平然と袋をうまく使って手を汚さずザーサイを食べていました。

軽食はピーナッツやクラッカーが一般的だと思います。

外国人の人からすればザーサイは驚きのスナック(?)でしょうね。。。

それほど中国では涪陵ザーサイは人気なんですよ(^^;

ちなみに私は何だか袋から食べるのは行儀が悪いので、そっとカバンに閉まって家でゆっくりお茶と一緒に食べました。

2024年12月3日ザーサイ(涪陵榨菜)

Posted by Shiba Shiba