【四川料理一ご飯が進むおかず!!】ユーシアンロースー
鱼香肉丝
鱼香肉丝(ユーシアンロース)は豚肉やタケノコの千切りを鱼香味で炒めた四川料理です。
歴史は比較的浅く、1900年代初頭に初めて成都の料理本の中でレシピが確認されています。
鱼香とはその名の通り魚の香りを表しますが、食材や調味料に一切魚は使用しません。
名前の由来を紐解くため、まずは一般的な作り方を紹介します。
メインの食材は豚肉・タケノコ・キクラゲの3つで、レシピによってはピーマンや人参を入れることもあります。
食材をすべて”丝”、つまり”細く長方形”に切ります。
長さの目安は8㎝、幅は0.3㎝くらいが適当です。
この辺りは日本でも有名な青椒肉絲と似ていますね。
切った豚肉には塩・料理酒・チキンパウダー・片栗粉をまぶしておきます。
タケノコとキクラゲには少量の塩を振っておきます。
ここで鱼香ソースの登場です。
鱼香ソース
鱼香ソースの材料は赤唐辛子・玉ねぎ・生姜・ニンニク・料理酒・砂糖・醤油・お酢・味の素・鶏ガラスープが一般的です。
唐辛子は乾燥させたものを料理酒や塩水に1か月以上漬け込んだものを使用することも多いです。
鱼香ソースはとりわけ唐辛子とお酢の味が強く、甘酸っぱい且つ甘じょっぱい味がします。
個人的には日本でいうと魚の南蛮漬けのタレに似ている気がします。
具材の下ごしらえが終わり、鱼香ソースが揃えばあとはシンプルです。
熱した中華鍋で小さく刻んだ生姜やニンニクを炒め、香りが出たら豚肉・タケノコ・キクラゲ、そして鱼香ソースを投入します。
お肉に火が通ったら完成です。炒めすぎると野菜がシナっとなってしまうので、強火で一気に炒めるのがコツです。
出来上がった鱼香肉丝は食材が同じ大きさに切られているため火の通り方が均一で、口に入った時に三つの食材が調和します。
酸味と塩味の効いた鱼香ソースの風味が染みた豚肉白米がもりもり進む味付けです。
タケノコとキクラゲのシャキシャキとした触感が心地よく、全体の味と触感が非常に良くまとまった料理です。
名前の由来
さて鱼香という名前ですが、一説には蒋介石が命名したと云われています。
1937年に日中戦争が勃発すると、日本軍は当時の中国の首都であった南京を占領。
これを受け中国国民党の蒋介石は首都を現在の武漢市にある内陸の漢口に移しました。
しかし漢口もほどなく陥落し、蒋介石はより内陸にある重慶に拠点を構えました。
現在の鱼香肉丝は当時四川の家庭ではよく作られていた一般的な料理でしたが、特に料理名はありませんでした。
蒋介石が初めてその料理を口にした時に、「ソースの風味がどこか魚の味に似ている」と言いました。
そうして特に名前の無かった家庭料理は”鱼香肉丝”と名付けられ、以降レストランでも提供されるような大衆料理のひとつとなったと云われています。
現在鱼香ソースは四川や重慶の代表的なソースの一つとなっています。
鱼香肉丝は簡単なレシピから家庭で作られるほか、多くの飲食店で取り扱っています。
一皿2人前程度の量があり、平均20元ほどとお手頃です。
重慶では若い男性がお昼ご飯に鱼香肉丝と白米を豪快に掻き込む姿をよく見かけます。
一度重慶や四川で本場の鱼香肉丝を食べてみて、もし気に入れば家庭料理のレシピに加えてみるのは如何でしょうか?
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません