【水で煮た牛肉?】日本人は名前で勘違いして頼まない絶品中華
水煮牛肉
水煮牛肉(シュイジュウニウロウ)は牛肉を唐辛子を中心とした様々なスパイスで煮込んだ四川料理です。
牛肉の代わりに豚肉を使ったものは水煮肉片(シュイジュウロウピエン)と呼ばれます。
どちらの料理も1930年代に四川省で有名な范吉安(ファンジーアン)というシェフが考案したとされています。
当時から四川は言わずと知れた唐辛子や花椒などの香辛料の宝庫でした。
そのため四川の家庭ではよく牛・豚・鶏・蛙肉を香辛料で辛く味付けする料理が作られていました。
しかし特に決まったレシピや名前は確立されず、各家庭が独自の調理法を持っていました。
そこで范吉安はもともと四川で一般的な調理法だった辛いスープで牛肉を煮込んだもの(現在では渗汤牛肉とも呼ばれる)を改良して一つの料理として確立することを目指しました。
そして范吉安は各家庭の作り方を参考に下味の付け方やスパイスの配合など試行錯誤を重ね、1930年代に彼のレストランで水煮牛肉として提供したのが始まりです。
水煮牛肉がたちまち人気になると、豚肉や鶏肉を使うバリエーションも生まれました。
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レシピ
水煮牛肉の基本レシピは牛ヒレ肉・青ネギ・ニンニク・生姜・白菜・セロリ・乾燥唐辛子・花椒・豆板醤・醤油・塩・胡椒・料理酒・味の素・鶏ガラスープ・水溶き片栗粉です。
一般的な作り方は以下の通りです↓
まず牛ヒレ肉を薄くスライスし、お椀の中で醤油・料理酒・水溶き片栗粉とよく混ぜておきます。
次に熱した中華鍋で乾燥唐辛子と花椒が香りが立つまで軽く炒めます。
香りが出たら中華鍋から取り出し、細かく砕いておきます。
中華鍋に油を入れ、一口大に切った青ネギ・白菜・セロリを中まで火が通るまで炒めたら鍋から取り出します。
今度はその鍋で豆板醤を軽く炒め、香りが出たら鶏ガラスープ、醤油・料理酒・塩・胡椒・味の素・生姜・ニンニクを入れて煮立たせます。
スープがよく煮えたら炒めた野菜とタレに漬けていた牛肉スライスを投入します。
このとき漬けダレを少し入れるのがコツです。
牛肉が煮えたらスープごと大きな器に盛り付け、上から炒めた乾燥唐辛子と花椒をかけたら完成です。
特徴
調理法からも分かる通り、一般的な四川料理の様に肉を炒めることはなく、最後にスープで煮ることから”水煮”牛肉と呼ばれます。
料理名からは水で煮ただけの味気無い牛肉に見えますが、実際にはたっぷり旨味のついたスープで煮ます。
すべての工程を一つの中華鍋で行うことで食材や調味料のうまみが余すことなく利用することができます。
また炒めた食材や調味料を一旦鍋から取り出す手間をかけるのが、四川料理の特徴です。
代表的な回鍋肉(炒めた肉を鍋に返すことから命名)もその一例です。
下味がつけられた牛肉はスープの旨味をよく吸って、唐辛子や花椒の風味と混ざり合い絶妙な味を奏でます。
刺激的でありながら深い味わいに一度食べたら忘れられない料理です。
スープが染みたネギや白菜、セロリは驚くほど美味しくなります。
以上の基本のレシピに加えて、各レストランが食材に工夫を凝らしています。
例えば近年特に人気が高まっているのはモヤシです。
中国では以前にも増してモヤシの栽培が盛んになり、質が向上しました。
絶品スープに浮かぶ新鮮なモヤシは臭みが全くなく、シャキシャキ感が病みつきになります。
四川のお隣重慶でも水煮牛肉は大人気で、重慶ならではの香辛料をふんだんに使っています。
水煮牛肉は重慶の多くのレストランで注文出来るので、機会があればぜひご賞味ください!
日本の通販で簡単に買うことが出来る火鍋の素で作ってみるのもアリですね↓
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