【リピート必須のシビカラ串料理】火鍋と串焼きの相性が抜群に美味しい
串串香
串串香(チュアンチュアンシアン)の起源は四川省の成都に発します。
舞台は1980年代半ば、中国経済が成長を遂げる中、西部の大都市成都のショッピングモールや映画館は連日人で賑わっていました。
この繁盛ぶりを見たある男性が、何か食べ物を売れば儲かるのではないかと考えました。
ただショッピングモールで買い物をするのにかさばる様な物はウケないし、映画館で手の込んだ料理も持ち込みずらい。
しかしフライドポテトやポップコーンはどこか在り来たりな上、当時の成都では西洋料理はそれ程広まっておらず、四川料理で育った成都人の口に西洋のファストフードが合うとは思えませんでした。
そこで考えたコンセプトが”成都の人が慣れ親しんだ味で、買い物袋を持って歩きながらや映画を見ながらでも片手で食べられるもの”でした。
屋台の出店
そこで思いついたのが串料理。当時串料理は中国の至る所ですでに見られましたが、串に肉を刺して焼く”烧烤”スタイルが主流でした。
男性は成都で人気の麻辣味にすれば人気が出ると考え、細かく切った豆腐や兎肉を串に刺して麻辣スープで煮たものを出す屋台をショッピングモールに出店しました。
すると香しい麻辣スープの香りにつられて買い物客は足を止め、一串2元~5元ほどと安いことから、多くの人が訪れました。
道行く人が細長いコップ(映画館のポップコーンのLサイズのイメージ)を持って長い串を食べながら歩く姿は新鮮で、その見た目と香りは高い宣伝効果を持ちました。
するとその利便性と低価格、美味しさから串串香はたちまち大人気となりました。するとそこは商魂逞しい中国人、すぐに真似をする屋台が次々と現れ成都で一代ブームを巻き起こし、四川省全域や周辺の重慶まで一気に広がりました。
広い調理スペースを必要としない屋台料理なため、初期投資がそれほど掛からなかった点も類似店が急増した背景でしょう。
串串レストランの登場
最初はテイクアウト専門のお店が中心でしたが、その人気ぶりから串串香専門のレストランも現れました。
レストランには成都で親しまれている火鍋と同様の鍋が各テーブルに置かれ、お客さんはまず席に着くとスープを注文します。
串串香誕生時は麻辣スープの一択で、徐々に味の選択肢を広げていったものの、現在でもやはり麻辣スープが定番です。
スープの注文が終わると、お客さんは串がディスプレイされた冷蔵庫(日本のスーパーにある様な細長い棚)から、バイキング形式で好きな具材を取っていきます。
豆腐や兎肉から始まった串串香は現在では各種肉(牛・豚・鶏・兎・内臓系+時々カエル)、魚介(白身・エビ・イカ・タコ・海藻等)、野菜(キノコ類・イモ類・葉物・ブロッコリー等)、豆腐などバラエティー豊かになりました。
さて具材によって串が複数刺さっているのはなぜでしょうか?串に刺しにくい具材を安定させるため?解答は後程明らかになります。
食べ方
好きな串をトレイに取って席に戻り、卓上のスープで串のまましっかりと煮てから食べます。
串を使うあたり日本の焼き鳥と似ていますが、串串香は具材を串から取って食べてもマナー違反には当たらないので安心して下さい。
個別のお椀には火鍋と同様にごま油やニンニクが入り、具材を付けて食べることもできます。あまりご飯と一緒に串串香を食べることは無く、串串香でお腹を満たします。
トレイから溢れるほどの串を運ぶお客さんも珍しくありません。基本串串香のレストランは複数人で訪れるので、どの席も鍋が串で一杯になります。
お酒に合う串も数多くあるので(おすすめはレバーなど内臓類やイカ)宴会もよく開かれます。
お会計
さて気になる食後のお会計ですが。。。値段は食べた串の数で計算されます。
お店によって一串2元~5元ほどで、具材によって複数の串が刺さっているのはこの理由からです。簡単な問題でしたね(^^;)
テイクアウト専門の串串香は成都や重慶の街の至るところにあり、串串香を仲良く分け合いながら歩くカップルや、大きなイカの刺さった串を口いっぱいに頬張る子供など微笑ましい光景が広がります。
四川や重慶にお越しの際はぜひトライしてみて下さい!
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