【古代のギルド】重慶の地方政治を取り仕切ったギルドの美しい演劇舞台

2024年12月3日湖広会館

アクセス

湖广会馆は渝中区の东水門大橋の麓に位置します。

最寄りの地下鉄の駅の小什字から徒歩約15分です。

最寄りのバス停は”湖广会馆”で、主に414・440・T001・T002・T480番のバスが停車します。

歴史

湖广会馆(湖広会館)は清の康熙の時代(1759年)に建築されました。

重慶の中心部、渝中区に位置し、眼前には長江を望み、対岸には南岸区が広がります。

湖广会馆は古くは主に重慶の政(まつりごと)を司るギルドの役割を担ってきました。

そのため英語ではGuild Hallと呼ばれます。

古来中国では中央政府と地方をつなぐため、こうした会館が全国に建てられました。

広大な中国を統治するのは容易ではなく、都から離れた地方まで統治力を広げ管理下に置くことは各年代の王朝の難題でした。

取り分け成都や重慶などは中国の内陸に位置しながら、蜀の発展により豊富な人口と経済力を誇っていました。

こうした地方の一大勢力は遠隔地をまとめるには有効でしたが、ともすれば王朝の反乱分子となるため、中央政府は神経をすり減らしました。

そこで明の前期に中央政府統治下のギルドを有力な地方に配することで、支配を強めました。

各会館には中央から役人が派遣され、地方政治に関わる決め事を取り仕切っていました。

こうした統治制度は以後日本に伝わり、現代の政治にも活かされています。

中央政府から遠ければ遠いほど情報の伝達は遅く、地方にとって都の動向を知ることは重要であったため、会館の持つ機能は地方にとっても非常に大切でした。

重慶の湖广会馆には会議室や謁見の間、庭園や演劇の舞台などが設けられています。

会議室や謁見は、地方の有力者と政府の役員が面会したり、法制度に関して決め事を行う際に使用されました。

また地方から中央政府への年貢の徴収も湖广会馆で行われました。

演劇

また湖广会馆では度々演劇が開かれました。

当時の演劇はただのエンターテインメントではなく、王朝の政治指針や威信をアピールする側面もありました。

そこで湖广会馆には地方の有力者が招かれ、こうした題材の演劇を政府の役員と鑑賞しました。

また演劇舞台では不定期で市民向けに西遊記や西厢记など中国の歴史を題材とした劇も上演されました。

湖广会馆はお寺の機能もあり、多くの宗教行事が執り行われました。

このように湖广会馆は時の政府や重慶の人々にとって非常に重要な役割を担っていました。

見どころ

今日では湖广会馆は政治機関の役割を終え、建立当時の様子や人々の営みを伝えるミュージアムとしてオープンしています。

重慶では有名な会館をまとめて“八省会館”と呼称します。

そのうち湖广会馆(別名:禹王宫)には、江西会馆(別名:万寿宫)と广东会馆(別名:南华宫)が併設しています。

これらの会館を合わせて中国で最大の会館群を形成しています。

入場料は大人が30元で、朝8時から夜7時まで解放されています。

ミュージアムでは当時の人々の生活の様子が人形で描かれ、明の時代の重慶の様子がよくわかります。

湖广会馆の外壁は黄色をしていて建築物としても非常に魅力的です。

夜にライトアップされる姿は美しく、洪崖洞のように重慶の夜景を彩ります。

すべての会館をゆっくり見て回って約2時間かかります。

アクセスしやすい場所にあるので、重慶に滞在するときにはぜひ一度寄ってみて下さい!

基本情報

基本情報

営業日:月~日
営業時間:8:00-19:00
入場料:大人30元。子供(身長140㎝以下)・70歳以上・身体障害者(証明書必要)無料
観光時間目安: 約2時間 (演劇などエンターテイメントが無い場合)