香港セントラル 米線の隠れた名店 ~橋香園~

2021年1月27日その他, 香港遠征記

点心やワンタン麺と同様、香港で大人気の食べ物が米線(マイセン又はマイシン)です。雲南発祥の麺料理が香港で独自の発展を遂げ、今ではローカルの生活に欠かせない物となっています。有名なチェーン店では譚仔三哥や南記粉麺が挙げられますが、今回は香港で2店舗のみと、知る人ぞ知る隠れた名店 ”橋香園雲南過橋米線”を紹介します。

米線とは

米線(マイセン)とはその名の通りお米で出来た麺です。白色でコシは無く、断面が丸いのが特徴です。中でも過橋米線は中国の雲南省発祥で、熱々のスープが入ったお椀(土鍋や磁器等の熱を逃がさないもの)が食卓に運ばれ、その場で野菜やハムなどを入れ、スープの熱で調理します(詳しい由来は別の記事で紹介しますね)。香港では厨房で調理されたものが普通のお椀に出てくるのが一般的です。香港ローカルに大人気の料理です。

場所と行き方

橋香園雲南過橋米線は上環と中環(セントラル)の2店舗がありますが、今回は比較的アクセスの簡単な香港のオフィス街、セントラルにある店舗を紹介します。

分かりやすい行き方は、まず名物の中環ミッドレベルエスカレーターの登り口に行きます。

そしてエスカレーターには乗らずに、右側にある階段を下りて行きます。

階段を下りたらまっすぐ30秒ほど坂を上ります。

すると目の前に猫がたくさん描かれたスプレーアートが現れるので、手前で右折し、10秒ほど緩やかな坂を下ると右手にお店が見つかるはずです。狭い道ですが車も頻繁に通るので注意してください。

お店

こちらが橋香園雲南過橋米線セントラル店です。昼の11時から夜の10時30分まで営業しています。 テイクアウトの場合は入り口に向かって左側に並び、置いてあるメニューを見て店員さんに注文します。レシートと引き換えに料金を払い、レシートに記載された番号が呼ばれたら商品を受け取ります。 電話で事前注文・店舗で受け取りも可能ですが、基本電話は広東語か北京語のみの対応です。

店内には30席ほどあり、ランチタイムは会社員で常時10人ほどの列が出来ますが、回転が速いので15分もすれば入れます。 正午前であれば並ばずに入れることが多いです。 イートインの場合は列に並んでいる間にメニューを見て、聞きに回ってくる店員さんに注文をします。店内の席が空いている時は席に着いてから卓上のメニューを見ての注文です。いずれの場合もレシートを受け取り、食後に会計です。

メニュー表は広東語と北京語&英語のものがあります。指差しで注文出来るので現地の言葉が出来なくとも心配いりません。注文のステップは以下の通りです。(写真が見ずらくてごめんなさい)

注文ステップ

  1. スープありか、無しかを選びます。おすすめはスープありです。(写真のFor exampleのところの左側を指させば伝わります)
  2. トッピングの数を伝えます。上記の写真より2香港ドル(約28円)ずつ値上がりしているので、2020年2月時点では、スープありのトッピング1種類であれば40香港ドル(約560円)、2種類で46香港ドル(約650円)、3種類で52香港ドル(約740円)、4種類は58香港ドル(約820円)。量が多いのでトッピングは2種類、多くとも3種類がおすすめです。
  3. 次にトッピングを選びます。詳しくは以下をご覧ください。☆付きは私のおすすめです。追加料金がかかるトッピングもあります。トッピングとは別にスープありでは、もやし、ニラ、パクチー、ネギ、ザーサイが入っています。
  4. 次に辛さを決めます。店員さんはよくMedium?と聞いてきますが、かなり辛いので、私はいつも小辣(広東語:シウラー、北京語:シアオラー)で注文します。素材の味を楽しめるほどに適度に辛く、バランスが取れています。
  5. 最後に飲み物を聞かれます。こちらは別料金で、温かい飲み物(レモンティー、豆乳、お茶等)が5香港ドル(約70円)、冷たい飲み物が(コーラ、レモンティー等)が6香港ドル(約84円)です。無料の水は無いので、辛いのが苦手な方は注文した方が良いですね。
  6. 注文後にレシートを受け取り、 席に案内されるのを待ちます。相席が当たり前ですが、2人や複数人で行けば一緒に座らせてくれます。

トッピングメニュー翻訳

  • 牛肉スライス +$1
  • 手羽中 +$1
  • チーズ入りウインナー
  • 鴨の腎臓スライス
  • 魚の皮の餃子
  • カニ団子内子入り(☆)
  • 魚の白身の団子
  • ロブスターの団子
  • タコの春巻き(☆)
  • 挽肉炒め(☆)
  • 豚シロ(大腸)スライス +$1
  • 豚バラスライス +$1
  • 豚ネック又は肩スライス +$1
  • 台湾風肉団子(☆)
  • 豚レバー(☆)
  • 豚ハチノス +$1
  • 味付け卵
  • 干豆腐のスライス
  • ポルチーニ茸スライス +$3
  • きくらげ
  • エノキ
  • 揚げ干豆腐(サイコロ状)
  • 揚げ干豆腐(シート状)
  • 青野菜
  • ヒラタケ
  • 椎茸
  • かぶ
  • 牛肉スライス(脂身付き)+$1
  • パーコー(スペアリブ)+$1
  • イカ団子(☆)
  • 豚の血
  • 豚皮
  • 海藻

2021年1月追記:メニュー表が新しくなり、トッピングは全て写真と英語付きになりました!

着丼

注文後に案内された席に座り、店員さんにレシートを見せれば米線と飲み物が5分も待たないうちに到着します。こちらは小辣に味付け卵とロブスター団子のトッピング。スープはオレンジ色をしていて、辛いものの唐辛子は浮かんでいません。酸辣湯ほど酸味は強くなく、あっさり目ですが後を引く辛さと酸味のバランスが絶妙です。

こちらは小辣に台湾風肉団子と挽肉のトッピング。米粉の麺は柔らかく、ラーメンとはまた違った感覚です。歯の弱った年配の方にも人気の理由がわかります。挽肉は担々麺に掛かっているような醤油ベースの味付きで、スープに溶け出しより一層全体の味わいが増します。肉団子は冷凍かと思われますが旨味は十分です。

こちらは 小辣に豚レバーとタコの春巻きのトッピング。豚の内臓類は新鮮で臭みが無く人気メニューの一つです。タコの春巻きはふわふわしていて、スープとよく合います。パクチーも強すぎず、スープの味を引き立たせています。秘伝のスープと新鮮なトッピングが人気の秘密でしょうか。

こちらは清湯ベースです。注文時に辛さを聞かれた際にClearと言えば選べます。辛さは全くなく、非常にあっさりしています。辛いのが苦手な方や体調が悪い方には良いかも知れません。私は少し物足りなく感じますが、トッピングによっては清湯の方が合うものもあるかも知れません。

最後にスープ無しも紹介します。汁なしでは炒めた挽肉、ザーサイ、ピーナッツ、もやしが載せられ、その上にトッピングを追加します。今回は鴨レバーをトッピングしました。よく混ぜてからいただきます。卓上の調味料で好みの味付けにアレンジも可能です。

お会計

お会計は店外の (テイクアウトの注文を受けている)店員さんにレシートを見せて払います。支払いは現金のみなので注意が必要です。当然どの香港紙幣・コインも使えますし、お釣りも貰えますので安心して下さい。

店内は地元客で活気にあふれ、”香港の味”をローカルの雰囲気の中で体験できます。大手米線チェーンより地元色が濃く少しハードルが高いように思えますが、注文のステップを踏めば心配いりません。指差し注文が伝わった時のワクワク感も良いですね。アクセスも良く値段もお手頃なので、香港を訪れた際には一度寄ってみては如何でしょうか?

2021年1月27日その他, 香港遠征記

Posted by Shiba Shiba