【唐辛子浮かぶ絶品麺料理】シビ辛の聖地重慶の朝の一杯
重庆小面
重庆小面は重慶の麺料理で人気の小吃(軽食)の一種です。小面は名前の通り、小さいつまり量が少ない麺料理です。
小面の原料は小麦粉で、生地を手で数回折りたたんで延ばして麺状にするか、または包丁で細く切って作られます。
よく重慶の店先の小さな台の上で小麦粉を練り、豪快に両手を広げて生地を延ばし、あやとりをする様に手を交差させ、細い麺を作っているシェフを見ることが出来ます。
一見簡単なように見えますが、麺を細く長くそれも均等に伸ばすことは非常に難しく、数年の修行が必要と言われています。
機械が普及した現代でも、重慶では昔からの手打ちが主流となっているのは素晴らしいことですね。
また包丁で麺を切っていく場合は、日本のうどんやそばの切り方に似ていますが、細さは日本のソーメンほどなので難易度も上がります。
こうしてできた麺は注文と同時に茹でられ、麻辣スープの入った器に注がれて重庆小面が完成します。
注文後に麺をその場で作り始めるライブ感覚のあるお店も人気です。
レシピ
一般的な具材はネギや豆と非常にシンプルです。
ただしベースがシンプルだからこそ重庆小面には多くのアレンジが生まれ、店ごと・家庭ごとに異なるレシピを持っています。
例えば麺が定規のように平たいものや、汁無しのもの、具材に炒めた牛肉を入れたもの、激辛ラー油をたっぷり掛けたもの、野菜マシマシのものなど、バラエティーに富んでいます。
次第に小面から枝分かれして独自のスタイルを持つ麺も現れ、豌杂面(ワンザー麵)や荣昌铺盖面(ベッドの様に平たい麺)が代表例として知られています。
単に重庆小面という時には、包括的にこうした派生したもの全てを指すこともあります。
ですので重慶以外の中国の都市で重庆小面の看板を見たときは、本場のシンプルな小面を120%期待はせずに、おそらく辛い麺を出すお店なんだろうなと大らかに構えるのが無難です(^^;
ちなみに重慶人は中国の他の地域で出される重慶料理には不満が多く、本場の味ではないと厳しい意見の人が多い様に感じます(それでも文句を言いながらも旅先で重慶料理を注文してしまうのが重慶っ子)。
それほど重慶料理は特殊で奥深く、地元の人は愛着のあるものだということですね。
特徴
他の重慶の麺料理(酸辣粉等)や火鍋と比べて、重庆小面の辛みは控えめです。
スープは少し赤く染まる程度で、舌や唇がヒリヒリすることはあまりありません。辛みの足りない人は自分で卓上のラー油を加えるのが定番です。
辛み控えめで麺も少量なため、重慶ではよく朝食に重庆小面を食べます(朝からがっつり激辛料理を食べる重慶っ子も珍しくはありませんが。。。)。
会社員や労働者が小腹を満たしに通勤途中や午後の休憩時に重庆小面を軽く一杯すすっている光景をよく目にします。
特に冬場には温かい麺を求めて小面店が繁盛します。
感覚としては日本の温麺(ウーメン・ニュウメン)に近いのかなと思います。
また個人的には拉麺ほど胃にもたれないので、夜食やお酒の締めにも最適かと思います。
重慶では小面店が約1000店以上あると云われ、ベスト50のランキングが発表されるなど、日々しのぎを削っています。
火鍋と並んで重慶の人々の生活に無くてはならない重庆小面、値段も一人前15元ほどと手頃なのでぜひご賞味ください。
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