【蜀の水運の要】長江を見下ろす中国の山奥の天然要塞

2024年12月3日観光スポット, 酉阳土家族苗族自治県

アクセス

龚滩古镇は重慶南東部の酉阳土家族苗族自治県に位置します。

重慶中心部からバスを利用する場合は龙头寺バス停から龚滩古镇まで直行バスが出ていて、所要時間は約4時間、チケットは片道100元です。

夜景の美しい龚滩古镇に一泊するのが定番です。

遊覧船を使う方法もありますが、乗り換えが多く6時間以上かかるためおすすめしません。

龚滩古镇を寄港港に含めた3~5泊の現地ツアーも出ています。

歴史

龚滩古镇は重慶中心部から280キロ離れた酉阳土家族苗族自治県に位置する集落群です。

龚滩古镇の始まりは魏・呉・蜀の三国時代に遡ります。

龚滩古镇は険しい山々から成り、居住に向くような平坦は土地は少なく人口も多くはありませんでした。

三国時代に入ると、龚滩古镇は蜀の涪陵郡に属しました。

四川の奥地の成都を拠点とした蜀にとって水運は物資輸送の生命線であり、特に乌江と阿蓬江は西の四川と南の貴州、東の湖南・湖北をつなぐ重要な河川でした。

そこで眼前に乌江が流れ、すぐ周辺では阿蓬江が合流する龚滩古镇は蜀の水運の補給港としての役割を担いました。

主に長旅で疲弊した商船の船員が休憩や物資の補給、荷物の詰め替えなどをするために利用されました。

地理的関係から外敵に攻め込まれる可能性は低かったため、龚滩古镇は上記の点に特化して補給港として発展を遂げました。

最盛期には龚滩古镇の年間の貨物処理量は500万トンを超えたと言います。

見どころ

龚滩古镇では川に面した狭い土地に重なるように家々が建てられていて、独特の景観を誇っています。

家々が重なっていることで石畳は迷路のように複雑に入り組み、どこか探検心をくすぐります。

蜀の時代から日々多くの商船が来航した龚滩古镇では自然と宿屋や飲食店が発展しました。

また各地方の食材が行き来することで、龚滩古镇料理は独自の発展を遂げました。

代表的な料理としては以下の三つが挙げられます。

  • 酿豆腐:一見普通の豆腐ですが、中は空洞になっていて肉やキノコや野菜が詰められています
  • 荞麦粑粑:そば粉を使った甘いお菓子で、蒸しパンのマーラカオに似ています。
  • 龚滩绿豆粉:緑豆を練りこんだヘルシーな麺料理です。

龚滩古镇は現在では乌江を通る遊覧船の寄港港として栄えています。

龚滩古镇はAAAA級観光地や中国初の歴史文化都市に認定されています。

重慶中心部の喧騒から離れ、雄大な自然の中で悠久の歴史を感じ、地元の料理に舌鼓を打つのもよいですね。

ツアーでは重慶から乗船し、龚滩古镇に寄って貴州で下船するプランなどがあります。

重慶以外の都市も観光予定の方はぜひ利用してみて下さい!

基本情報

基本情報

営業日:月~日
営業時間:8:00-18:00(民家と宿泊施設が併設するため一部の場所は閉鎖される)
入場料:16元(街並み保全のため)
観光時間目安:6時間